自宅で手軽に!シニアのための折り紙入門:効果と始め方
自宅でできる!シニアのための「折り紙」入門
年齢を重ねても、何か新しいことに挑戦したり、手指を動かしたりする時間は、心身の健康維持にとても大切です。特に、自宅や施設で手軽に始められるアート活動は、日々の生活に彩りを加え、気分転換にもつながります。
今回ご紹介するのは「折り紙」です。子どもの頃に遊んだ記憶がある方もいらっしゃるかもしれません。たった一枚の紙から、様々な形が生まれる折り紙は、高齢者の皆様にも楽しんでいただける素晴らしい活動です。特別な道具や技術がなくてもすぐに始められる折り紙の魅力と、始める上でのポイント、そして期待できる効果についてご紹介いたします。
なぜ高齢者に折り紙がおすすめなのでしょうか?
折り紙は、身近な材料である紙を使い、特別な準備がほとんど必要ありません。この手軽さが、高齢者の方々が一人でも始めやすく、続けやすい大きな理由の一つです。さらに、折り紙には心身に様々な良い影響が期待できると考えられています。
折り紙を始めるために必要なもの
折り紙を始めるのに必要なものは、基本的に「折り紙用の紙」だけです。
- 折り紙用の紙: 100円ショップや文具店、スーパーなど、身近なお店で簡単に入手できます。様々な色や柄があり、選ぶだけでも楽しいものです。最近では、大きいサイズの折り紙も売られており、細かな作業が難しい方でも取り組みやすいでしょう。
- その他(必要に応じて): ハサミ(切り込みを入れる場合)、ペンや色鉛筆(顔を描くなど)、ノリやテープ(パーツを貼り合わせる場合)などがあると、表現の幅が広がります。
簡単な折り紙のアイデアと手順
まずは、複雑でない簡単な作品から始めてみましょう。慣れてきたら少しずつ難しいものに挑戦するのも良いですね。
例1:定番の「つる」 日本の象徴ともいえるつるは、少し工程がありますが、完成した時の達成感は格別です。折り方の手順が書かれた書籍やインターネットの動画なども参考にできます。
例2:動物(犬、猫、うさぎなど) 顔や体の一部を折るだけの簡単な動物は、少ない工程で完成します。ペンで顔を描き入れると、より愛着がわくでしょう。
例3:季節の花(チューリップ、あやめなど) 春ならチューリップ、梅雨ならあやめなど、季節に合わせた花を折るのもおすすめです。色とりどりの花をたくさん折って飾るのも素敵です。
例4:小物入れや箱 実用的な箱なども、簡単なものから挑戦できます。ちょっとしたものを入れたり、プレゼントに使ったりすることも可能です。
おおよその所要時間: 簡単なものであれば5分~15分程度、少し複雑なものでも30分程度で完成するものが多いです。途中で休憩を挟みながら、無理のないペースで行いましょう。
折り紙活動に期待される効果
折り紙は単に遊ぶだけでなく、高齢者の心身に多様な良い影響をもたらす可能性があります。
- 手指の巧緻性の向上: 指先を細かく動かす作業は、脳への刺激につながります。紙を折る、角と角を合わせる、折り目をしっかりつけるといった一つ一つの動作が、手指の運動機能の維持や向上に役立つと考えられています。
- 脳の活性化: 折り方の手順を覚え、順序立てて作業を行うことは、記憶力や思考力を使います。完成形をイメージしながら紙を折る過程で、空間認識能力も養われることが期待されます。
- 集中力の向上: 一つの作品を完成させるために集中して取り組む時間は、日々のメリハリにもつながります。
- 達成感と自己肯定感: 一枚の紙から形あるものが生まれるのは、大きな喜びです。「できた!」という達成感は、自己肯定感を高め、自信を持つことにつながります。
- コミュニケーションの促進: 家族や施設の職員の方と一緒に折ったり、作った作品を見せ合ったりすることは、大切なコミュニケーションの機会となります。共通の話題ができたり、褒められたりすることで、社会的なつながりを感じられます。
- 精神的な安定: 手を動かす作業に没頭する時間は、リラックス効果をもたらし、不安やストレスの軽減に役立つ可能性があります。色とりどりの紙は、視覚からも楽しませてくれます。
高齢の親御さんに折り紙を勧める際のヒント
離れて暮らす親御さんや、身近な高齢者の方に折り紙を勧めてみたい、でもどう声をかけたら良いだろう、と迷う方もいらっしゃるかもしれません。いくつかヒントをご紹介します。
- 「一緒にやらない?」と誘ってみる: 「これ面白い折り紙を見つけたんだけど、一緒にやってみない?」など、あくまで誘う形で提案してみましょう。無理強いはせず、興味を持ってもらうことが大切です。
- まずは簡単な作品を見せる: あなた自身が簡単に折れるもの(例えば、可愛い動物など)をいくつか折って見せて、「これ、簡単にできるんだよ」と、手軽さをアピールしてみましょう。
- 大きな折り紙や折り方の本を用意する: 最初から小さな紙や複雑な折り方のものはハードルが高いかもしれません。大きめの折り紙や、写真や図解が大きく分かりやすい折り方の本や、動画が見られるタブレットなどを準備しておくと、始めやすくなります。
- できた作品を褒める、飾る: 完成した作品は、どんなものでも「すごいね!」「上手だね!」と褒め、ぜひお部屋に飾ってみましょう。作品が飾られているのを見ると、次への意欲につながります。
- 一緒に楽しむ時間を持つ: 可能であれば、時々一緒に折り紙をする時間を持つのも素晴らしいアイデアです。共通の趣味を持つことは、親子の会話を増やし、より良い関係性を築くきっかけにもなります。オンラインでのビデオ通話などを活用して、画面越しに一緒に折ることもできるかもしれません。
まとめ
折り紙は、特別な場所や道具がなくても、自宅で自分のペースで始められる素晴らしいアート活動です。手指を動かし、脳を使い、完成の喜びを味わうことは、高齢者の皆様の心身の健康維持に多くの良い影響をもたらす可能性があります。
ご紹介した簡単な作品から、ぜひ気軽に挑戦してみてください。そして、もし親御さんや大切な方が日々の生活に何か楽しみや刺激を探しているようでしたら、優しく折り紙を勧めてみてはいかがでしょうか。一枚の紙から生まれる小さな作品が、日々の生活に彩りと、新しいコミュニケーションのきっかけを運んできてくれるかもしれません。